2004年06月16日

レディー ジョーカー

748b327f.jpg<レディー ジョーカー <上>
高村 薫 (著)
ISBN: 4620105791
毎日新聞社 1997/12
¥1,785

b-lady2.jpgレディー ジョーカー <下>
高村 薫 (著)
ISBN: 4620105805
毎日新聞社 1997/12
¥1,785







昨日、「砂の器」を書いていたら、これを書かずにおれなくなってしまった。

グリコ社長誘拐事件を下敷きにした作品。
石原プロによる映画化が発表され、12月11日(土)上映が決まっている。

今日、竹之内豊による「人間の証明」のリメイク版製作も発表され、とにかく、リメイク・リメイクの中で、久々に見ごたえのありそうな新作と言える。

原作はと言えば、上巻前半の、いかにも高村薫らしい、ねっとりとした描写を読み進めることができれば、あとは、驚くようなスピードで物語りは展開してゆく。
何度読んでも「読んだー」という満足感にひたれる。

こういう、しっかりとした骨太の原作が映画化なりドラマ化されるのは嬉しい。
なんとも表現の難しいストーリーだとは思うが、渋めの役者揃いの石原プロにも期待したい。

未読の方には、映画公開までに是非とも一読を勧めめる。
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2004年06月15日

砂の器

b-suna1.jpg砂の器 DVD-BOX
原作:松本清張
主演:中居正広 松雪泰子 ほか
ASIN: B0001GGTGC
ビクターエンタテインメント2004/05/28
¥17,556

昔のリメイクドラマを、流行のタレントを使って軽く仕上ることが多いこの頃。
正直このドラマにも大した期待はしていなかった。
中居君は余り好きではないし、取っ掛かりとしてはとりあえず松雪のファンだし・・・という程度。

が、見終わって感じたのは、久しぶりに実に見ごたえのある"ドラマ"を見たなーという充実感だった。

細かい点はともかく、中居氏にとって、この経験は素晴らしいものになったであろうこと。後10年たっても、彼は味のある役者をしていられるのではないだろうかという気さえした。

局も、よくこれだけのものを1クールのドラマで撮ったと思う。
一体どれほどの予算であったのか?

四季折々の、日本の田舎の実に美しい景色。
毎回見とれるような素晴らしい夕空。
逆光を上手に利用するなど光の使い方が見事に美しく、あちこちで惜しみなくクレーンを使った全景が映し出される。
1枚1枚の画面が、どこをとっても美しく、また丁寧に撮られている。
撮影スタッフも、久しぶりにいい仕事が出来て楽しめたのではないかと想像してしまう程だ。

原曲を見事に活かした、千住 明氏のアレンジは、サントラを何度聞いても飽きない。
昔の曲は、それはそれで美しいメロディーだと思っていたが、似て非なるこのアレンジも素晴らしく、耳から離れない。

さらに、加藤剛が主演した映画「砂の器」で脚本を書いた橋本 忍、山田 洋次が潤色として関わり、2時間半の映画では表現し切れなかった部分を、余すことなく丁寧に描いている。

このドラマを先に見て、映画「砂の器」を後から見ると、よく2時間半の映画にこのストーリーを納めたものだと感心しさえする。

一つ一つの場面、心情の表現を、手を抜くことことなく、決して飽きさせず、じっくりと丁寧に表現してゆく手法は、最近のドラマに大きく掛けていたもののように思う。

松雪を島田陽子と同じ役に納めることなく、原作にも映画にもない新たな人物として描いていた点も、良かった。

そしてなにより、一番最後に追加された場面が、最高に良い。
人間を尊厳あるものとして扱う姿勢を感じる。
ドラマ全体を通したテーマからしても、最後にすっきりと引き締めてくれた。

総合力において、実に久しぶりにいいものをみたという満足感を与えてくれる作品である。
映画をドラマにと、大幅に表現時間が増えたこともあるが、ここ最近のリメイクの中で唯一前作を越えた作品だと思うし、長く見られる作品になるだろう。続きを読む
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2004年06月14日

My Life.

b-mylife.jpgマイ ライフ
ビル・クリントン (著)
ISBN: 0375414576
Random House, New York 2004/06/22
¥2,852






ヒラリーの自叙伝に続き、ビル・クリントンの自叙伝というだけで興味が湧いてしまう。
まずは6月22日に発売される原版をご紹介しておく。

なお、日本語版は9月25日に上下2巻に分かれて発売予定。
「マイライフ クリントンの回想 MY LIFE by Bill Clinton 上」 \1,950
「マイライフ クリントンの回想 MY LIFE by Bill Clinton 下」 \1,950


こちらも、ヒラリー同様My Life [CD]My Life [Cassette]も発売される。彼の英語は、アメリカ人にしてはとても美しいと言われているらしく、ヒアリングの教材として"音"=CDも是非手に入れたい。

欧米では、人生で何事かを成し遂げた後に"自伝"を書くことは当然のようだ。
日本の歴代首相も、評論家など周辺の人物が書いたものではなく、本人の手による自伝が読みたいものだ。

[関連記事/朝日新聞]
「ただ可能だったから」 クリントン氏が不倫理由語る
不倫告白「独り寝2カ月」 クリントン氏、自伝で裏話
クリントン前米大統領インタビュー、主なやりとり
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2004年03月06日

レナードの朝

 一番最初は、どういう理由でこれを見たのか覚えていない。けれど、忘れられない映画の1つだ。

 精神病院で長年半昏睡状態だったレナードに、新薬を投与。奇跡的な回復に他の患者にも投与されるが、最後には全員が元に戻ってゆくという実話。

 ロバート・デ・ニーロ、ロビン・ウイリアムスらの演技が素晴らしいことは言うまでもないが、医師も、患者も、患者の周りに居る人間も含めて、"人とは?""人間のあり方とは?"と考えさせられる。そして、脳の面白さとすごさを感じさせられる。

 医療や、脳、人間、心に関心のある人必見。
 何度も見られる映画である。


レナードの朝

レナードの朝

レナードの朝【ワイド版】

レナードの朝

元の記事にトラックバックをいただいていたのですが、
こちらが移転しましたので、こちらからトラックバックさせていただきました。
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2004年03月05日

ライフ レッスン


ライフ・レッスン
エリザベス・キュブラー・ロス(著)
ISBN: 4047913820
角川書店
2001/11
¥1,400

 人間の死を見つめつづけたエリザベス・キュブラー・ロスの最後の書といわれている1冊。

 ある感情を感じた時、ひとは何をどう学ぶことができるのか?感情に振り回されてコントロールできてないなぁと感じたら、それはコントロールするのではなく、その感情が自分に教えてくれている意味を考えましょう。この本はきっとその意味を探す手助けをしてくれるでしょう。

 ただ単に目を通すのではなく、じっくり、しっかり、そして何度も読みたい本です。
posted by yuu at 08:28| シドニー ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 人生を考える | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年02月28日

阿修羅のごとく


阿修羅のごとく

1979年にNHKでドラマ化。
私のこれまで見た中で最も衝撃を受けたドラマ。忘れられないドラマ。

加藤治子、八千草薫、いしだあゆみ、風吹ジュン、宇崎竜童。
それぞれにとがっていて、はまり役のキャスティングだった。
多分、あれを見た人は皆同じだと思うが、
バックに流れていたバグパイプの音楽は、今でも頭の中で鳴る。

当時10代だった私は
"結局人間はそうやって生きているのね"
と思うと同時に、
"結局なにがあっても、それを全部ずるずる引きずって生きていくもんなんだな"
と思った。
"ずるずる引きずって"は、悪い意味ではなく、
"黙っていろんなものを抱えたまま"
とでも言えるかも知れない。
"人間の本質"だと思った。

2003年には大竹しのぶ、黒木瞳、深津恵里、深田恭子で映画化。
映画のプロモーションを見る限りでは、"女の性"的な打ち出しを感じるが、私は、あのストーリは、同時に"男の性"をもしっかりと語っていると思う。
男と女の"裏表"を語った物語でもある。

以降、向田邦子氏のいくつかの作品がドラマ化されたが、結局、私の中でこの作品を越えるものは無かったと記憶する。


阿修羅のごとく-全集-

阿修羅のごとく パート2-全集-

阿修羅のごとく(2003年映画版 2004/06/25発売)
映画公式サイト
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2004年02月27日

Live at the Acropolis / YANNI

d2391a4c.MZZZZZZZLive at the Acropolis DVD
Live at the Acropolis VHS
YANNI
Region 1(米国、カナダ向け)
NTSC
ASIN: 6305781427
¥1,820


 最初にYANNIの音を聞いたとき、「X-JAPANのYOSHIKIだ」と思った。
聞いてみればすぐにわかると思うが、切ないメロディーライン、コード展開はYOSHIKIそのものだ。もちろん、YANNIが先である。
決してロックではない。環境音楽?なんだろー?
一時期国際線機内でも流れていたらしいが・・・

 甘いマスクのYANNIは、アメリカの"みのもんた"的ポジションも持つらしい。が、そんなことより、素直に作曲家・アレンジャーとして、これだけの曲が作られると言うのはすばらしいと思う。疲れることなく何時までも聞いていられる、飽きない音。

 このライブ版は、YANNIの故郷でもあり、今年オリンピックが行われるアテネのアクロポリスで行われたもの。音も素晴らしいが、やはりこの映像は逃せない。
 "音楽は見るもの"だとずーっと思ってきたが、つくづくそれを実感させてくれる映像。アクロポリスという会場そのものはもちろん、バンドのメンバーも、オーケストラの演奏者一人一人も表情が実にいい。MDに落として音だけ聴いていても、映像がありありと浮かぶほどだ。

 オーケストラとのコラボもさることながら、この日のゲストであった天才バイオリニストがまた素晴らしい。オーケストラの指揮者が、気が付くとバイオリンを手にし、彼女とやりあう場面は、見ているこちらも思わず笑みがこぼれ、最高である!
 
 彼の作品はいくつかあるが、私はこれがベストだと思う。


 惜しむらくは、このDVD、リージョンコードがアメリカ。マルチリージョンのプレイヤーか、パソコンが必要。

 もっとも、シドニーであれば、大きな電気屋さんへ行けば、必ずマルチリージョン&PAL/NTSC全対応のプレイヤーがあるはず。
 まったく、リージョンコードなんてあほなこと、何で思いついたものだか・・・これだけいろんな国の人がいて、やっぱりそれぞれ自国のDVDも見たいと思うのに、一々リージョン違っていたらやってらんないですねぇ。
 ちなみに、Chi*a経由のDVDはほぼマルチリージョンです。ターゲットが世界中に散らばっていますからね。さすがですね。量の勝ち!ってことでしょうか?
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2004年02月26日

精神鑑定、18人の犯罪病理

e73669ec.jpg精神鑑定、18人の犯罪病理
大原 健士郎 (著)
ISBN: 4062100789
講談社
2000/02
¥1,600

 日本には最近、どうしてそういうことになるのか理解できない犯罪が多い。
それは、いわゆる"食べるため"の犯罪ではないわけで、それだけ皆が裕福になったともいえるのかもしれない。が、反面、心のどこかに失うものがあり、それを埋めるがごとくの犯罪という行動となる。

 そういう事件を耳にしたとき、
「どうしてそんなことをしたのか?」
「どういう経緯でそういう風に考えるに至ったのか?」
考えずにはおられない。
いや、考えてもわからないので、聞いてみたいと思うのである。

 ここには、18人の経緯が"精神鑑定"を通して語られている。

 それぞれの事例を読めば読むほど、怖くなったのは、そこに語られている人たちのことではなく、自分自身のことだった。
 なにか事が起きた状況で、自分が精神鑑定を受けたとしたら、どんな判定が出るのか?その時、私の人生のストーリーを、鑑定者はどう定義づけるのか?
 
 人間は、そんなにクリーンに生きてはゆけない。
普通に生きている(と自分は思っている)今の自分だって、精神鑑定されれば何がしかの"問題"がでてくるのでは?と、読んでいて思った。
前提として、犯罪を犯した後か、前かという違いがあるだけで、そこから推察されるその人の人生ストーリーの作られ方がか違ういるだけなのかもしれないと。

 ある意味"鑑定"という2文字で決定的に定義づけられてしまう人生を、怖いと思った。

*********************************************
 そんな風に思うに至ったのは、シドニーでカウンセリングのクラスを受けたときの体験からだ。カウンセラーとしてのスキルを身につけるためのクラスなのだが、そこでは、2-3人に分かれて何度もロールプレイを繰り返す。それは、単にロールプレイではなく、時に、本当にカウンセリングであったりもする。

 同じようなクラスを日本でも受けたことがあるが、日本語でさえ、思うこと、感じることを言葉にするのは難しい。どう表現すれば、正しく理解してもらえるのか苦労する。それを、少ないボキャブラリーの英語でやろうというのだから、なおさら表現力は限られる。

 そうなるとカウンセラーは、その人の置かれている状況から、その人の心を推察しようとする。気が付くと、クライエントである自分が思ってもみなかったような、お仕着せのストーリーをどんどん展開されてている場合もある。
 そんな時はもちろん、「それは違う!」と言いたい。言いたいけれど、「じゃ、どうなの?」と問われると、うまく英語で説明できないし、結局ことが面倒になるだけなのかも等と、頭の中でぐるぐる考える。

 で、結局「ま、そういうことにしておこう」と思ってしまうわけである。

 所詮それはクラスの中での出来事なので、私の人生に差し支えはない。
 が、これがもっと別の場面だったら・・・
そのときの状況で、果たして最後まで自分の主張を、的確な言葉で言い切れるのか?日本語でも不安はあるなと思った。

 犯罪者に限らず、偉人だろうがなんだろうが、人の人生は聞いてみたい。
けれど、人生を語るのは難しい。
そんなことを、ふつふつと考えさせられた。

 ノーマルである・・・と人から思われている間に、精神鑑定を受けておきたいものだ。 
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2004年02月25日

ALASKA―Seventh Heaven

33181518.MZZZZZZZALASKA―Seventh Heaven
金本 孔俊 (著)
ISBN: 4916094514
青幻舎
2001/12
¥2,300


たまたま通り過ぎた本屋の特設コーナーの大きなポスターが目に入った。
そこで出会ったのがこの写真集。

オーロラが大好きだ。
いつか見に行きたいと思っている。
が、この写真集はアラスカのオーロラだけではなく、自然の素晴らしさそのものを余すことなく映し出していた。

自然が織り成す、なんともいえない色。
自然が作り出す、不思議な現象。
自然が醸し出す、荘厳さ。
そして、それぞれの写真が持つオーラ。

これを持たずして帰れない。
そう思った。

写真のいくつかは、下記でも見ることができる。
かなり再現されているが、写真集やポスターにはかなうすべもない。
ALASKAN MYSTRIES
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2004年02月24日

街道をゆく〈31〉愛蘭土紀行 2

街道をゆく〈31〉愛蘭土紀行 2
司馬 遼太郎 (著)
ISBN: 4022640022
朝日新聞
1993/06
¥520


 どうしていきなりアイルランドで、しかも2なのか?
たまたま、そこにその本があったから・・・
で、何気に読み始めたら、これがあっというまにはまってしまった。

 北欧は好きだ。
西洋人がアジアを"エキゾティック"だと思うのと同じように、北欧のもつ独特の雰囲気がたまらない。いつか行って見たいと思っていたし、白夜は死ぬまでに一度見てみたい。

 それにしても驚いたのは、随分早い時代にアイルランドの大学で教鞭をとっていた日本人が居たということ。
現地の人間でもすでに使わないような言葉を使いこなす日本人が居るということ。
いつの間に日本人はそんなところまでいっていたのだろうか?

 ひとつひとつの景色や事柄から、司馬氏の溢れんばかりの知識で歴史的背景や余談にずれてゆく、その内容さえなお興味深い。

 文章の軽快さもあり、まだ見ぬアイルランドにすでに行ってきた様な感覚にさえ襲われ、一瞬満足しそうだが、いやいや、これだけいろいろなことを知ってしまったら、やっぱり実際に行ってこの目で見てみたい。

1もどこかでゲットしたいものだと思う。
posted by yuu at 08:39| シドニー | Comment(0) | TrackBack(0) | 世界を楽しむ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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